五十肩(肩関節周囲炎)の原因には、肩の筋肉や腱、靭帯、関節包などのさまざまな構造が関与しています。
特に影響を受けやすい主な筋肉や腱は次の通りです。
1. 棘上筋(きょくじょうきん)
肩甲骨から上腕骨に伸びる筋肉で、腕を外側に上げる動きに関与します。棘上筋の炎症や損傷が五十肩の原因になることがあります。
2. 棘下筋(きょくかきん)
肩甲骨の後面に位置し、肩の回旋(外旋)動作に関与する筋肉です。棘下筋の損傷や炎症も五十肩の一因となります。
3. 肩甲下筋(けんこうかきん)
肩甲骨の前面から上腕骨に伸びる筋肉で、肩の内旋動作に重要な役割を果たします。肩甲下筋の異常が五十肩の症状に関連することがあります。
4. 小円筋(しょうえんきん)
肩甲骨から上腕骨にかけて位置し、肩の外旋動作を助ける筋肉です。この筋肉の炎症や損傷も五十肩に関与します。
5. 三角筋(さんかくきん)
肩の外側に位置し、腕を上げる動きに関与する大きな筋肉です。三角筋の過度の緊張や炎症も五十肩の原因となることがあります。
五十肩は、これらの筋肉や腱、さらに関節包(関節を覆う組織)の炎症や硬化、癒着などが原因で、肩の可動域が制限され、痛みが生じる状態です。原因ははっきりしないことが多いですが、過度な使用や外傷、加齢に伴う変性などが関与していると考えられます。