慢性疲労症候群
- 全身倦怠感がありダル重い
- 不眠症・睡眠障害がある
- 思考力・集中力が出ない
- 寝ても疲れがとれない
- 病院で慢性疲労症候群と診断された
寝ても取れない疲れ、倦怠感。やる気も出ずになんとなくダル重い。
そんな時、体はどんな状態になっているのでしょうか?
慢性疲労症候群は、筋痛症性脳脊髄炎とも呼ばれ、日常生活に著しく支障をきたす倦怠感や頭痛、思考力や集中力の低下を主訴としています。
その症状の原因は、ズバリ自律神経にあるとされています。
身体の調整機能を司っている自律神経系が安定すれば、疲労も取れやすく、スッキリとした生活を送ることができます。
今回は、自律神経を安定させるコツや、その治療法として注目されている「鍼灸」についてご紹介します。
慢性疲労症候群と診断。どうすればいい?
慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)とは原因不明で慢性的な疲労の病因・病態を解明するために、1988年にCDC(アメリカ疾病予防管理センター)により提唱された疾患概念です。
厚生労働省では、以下のような診断基準を設けております。
基準A
1.生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、少なくとも6ヶ月以上の期間持続ないし再発を繰り返す(50%以上の期間認められること)。
2.病歴、身体所見.検査所見で表2に挙げられている疾患を除外する。
基準B
症状クライテリア(症状基準)
(以下の症状が6カ月以上にわたり持続または繰り返し生ずること)
1. 微熱(腋窩温37.2~38.3℃)ないし悪寒
2. 咽頭痛
3. 頚部あるいは腋窩リンパ節の腫張
4. 原因不明の筋力低下
5. 筋肉痛ないし不快感
6. 軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感
7. 頭痛
8. 腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛
9. 精神神経症状(いずれか1つ以上)
羞明、一過性暗点、物忘れ、易刺激性、錯乱、思考力低下、集中力低下、抑うつ
10. 睡眠障害(過眠、不眠)
11. 発症時、主たる症状が数時間から数日の間に発現
身体所見クライテリア(身体所見基準)(2回以上、医師が確認)
1. 微熱、2. 非浸出性咽頭炎、3. リンパ節の腫大(頚部、腋窩リンパ節)
基準Aの2項目に加えて、基準Bの「症状基準8項目」以上か、「症状基準6項目+身体基準2項目」以上を満たすと医師によって「慢性疲労症候群(CFS)」と診断されます。
のぞみ鍼灸整骨院(伊勢田)とのぞみ整骨院(大久保)では、肩関節症状や腰痛など痛み対する治療が多いですが、なかにはこのような痛みではなく、この基準の中に含まれている疲労感や倦怠感、睡眠障害を訴える方も多くいらっしゃいます。
とくに、季節の変わり目や、夜勤など生活リズムが不規則で免疫力が低下しやすい時期や生活習慣のある方に多いです。
↓睡眠障害(不眠症)についてのページもございます。
慢性疲労症候群は何故起こる?
慢性疲労症候群は何故起こるのでしょうか?
その原因を紐解くには、そもそも疲労とは何か?を考える必要があります。
人間が疲労しているとき、身体では何が起こっているかを知れば、その本質に迫ることができます。
疲労を起こす原因は様々ですが、代表的な一つをご紹介します。
それは、「副腎疲労」です。
副腎とは、腎臓の上に傘のように乗っている小さな臓器です。その役割は、人体における様々な調整を行うホルモン分泌です。
そのホルモンの一つに、通称ストレスホルモンと呼ばれるものが分泌され、ストレスの耐久力を高める働きを担っています。
つまり、慢性的にストレスを抱えた状態になると、このストレスホルモンの分泌が低下し、ストレスの耐久力も低下してしまう状態が慢性疲労といえます。
副腎疲労症候群とも呼ばれ、
・疲れやすい。何をするのも億劫になる。
・朝が起きるのが辛い。朝起きる時から疲れている。
・寝つきが悪く、熟睡感がない。
・集中力が低下する。物忘れが強い。
・新しいことをする気力が湧かない。
・生理痛、PMS(生理前症候群)
・気分が落ち込みやすい。やる気が起こらない。
・風邪をひきやすい。風邪をひくとなかなか治らない。
などといった慢性疲労症候群と似たような症状が現れます。
したがって、慢性疲労症候群は、副腎ホルモンとの関係性があるともいえ、その調整機能が改善することが治療の方針にもなります。
ホルモン分泌の調整をするためには、自律神経系のバランスを整えることが改善につながる糸口となります。
慢性疲労症候群の改善法〜自律神経を調整する鍼灸の力〜
自律神経とは、人体における自動調整を司っている神経系です。
心臓の拍動や血管の収縮や拡張、睡眠や食欲など、自分の意思とは関係なく働き続ける臓器たちを、知らず知らずのうちにコントロールしてくれている素晴らしい人体の自動制御システムといえます。
自律神経の調整機能の一つに、ホルモン分泌も含まれています。
先ほど紹介した副腎との関係性は、自律神経のうちと興奮性に作用すると交感神経が働くと、副腎の髄質と呼ばれる部分からアドレナリンやノルアドレナリンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
よく戦闘モードに入った格闘選手が、
「アドレナリンが漲ってきた!」といいますが、あれは交感神経が働き、身体を興奮状態にしていることを言っていたのですね。
交感神経が働くと、血管が収縮し、血流が早くなります。その分血液を繰り出す心臓の拍動も早くなり、目がキリッとした覚醒状態になります。
実は、これは不眠の状態と同じです。
睡眠障害があり、昼夜逆転が起こっているのは、この交感神経が働き過ぎているためです。
人間が疲労を回復させるのに最も大切ともいえる睡眠が障害されることによって、疲労は取ろうにも取れない状態となっていきます。
これが慢性疲労症候群の原因の一つです。
これまでのご紹介を整理してみます。
①なんらかのストレスがかかり、交感神経が活発になる
②交感神経は副腎に働き興奮性のホルモン(ストレス耐久ホルモン)を分泌する
③ストレスがかかり続けることで、ホルモン分泌が枯渇していく
④睡眠障害が起きて、疲労が取れない悪循環に陥る
⑤慢性疲労症候群の症状が起こる
疲労を取りたいのに眠れない、寝ても疲れが取れない。。
辛い悪循環。。。
では、どうすれば???
現代では、自律神経を整える薬もあり、処方をされている方もたくさんおられます。
ですが、それでは対処療法にすぎない場合が多く、薬を飲み続けないといけない生活を送る方もいらっしゃいます。また、胃の調子が悪くなるなど、副作用の心配もあります。
そこで、慢性疲労症候群でお悩みの方にとっての治療法に、鍼灸が有効であることが近年の研究でも分かってきました。
https://www.ejim.ncgg.go.jp/doc/pdf/h50.pdf
↑文献:日本鍼灸エビデンスレポート 「慢性疲労に対する鍼治療の有効性の評価」
厚生労働省「『統合医療』に係る情報発信等推進事業ホームページより
こちらの文献の研究結果では、「鍼治療は慢性疲労を軽減させる」という結論が出ております。
手足の末端に鍼やお灸の刺激を加えることが、脳の視床下部に働き、自律神経を安定させる効果があるとされています。とくに鍼灸のジワッとした感覚は、副交感神経に作用し、身体をリラックスモードに切り替えていくプロセスを踏みます。このような鍼灸は、筋肉にアプローチするような深刺しにはせず、皮膚に沿わせる優しい施術法で行います。
また、東洋医学的な診断では「腎」と呼ばれる機能が低下していると慢性疲労に陥りやすくなります。「腎」とは東洋医学的な考え方による機能を現し、西洋医学で捉える身体の臓器「腎臓」とは少し異なります。東洋医学的な「腎」は、大まかにいうと水分代謝機能(尿の生成、水分の巡りなど)や生殖機能の働きを表す言葉です。
機能の観点からすると、東洋医学も西洋医学も似たような働きとして捉えています。
したがって、西洋医学的に副腎疲労についても述べましたが、身体の慢性疲労と腎臓は、密接な関係性があることが分かります。
東洋医学における「腎」は、休息を上手にとることで体のバランスを保ちます。エネルギー代謝の活動が低くなりやすいので、こまめに休息をとることが望ましいです。
例えば、昼寝を15分とるだけでも、その日の疲労感を減らすことができます。
自分ではなかなか休息が取れない方は、鍼灸を受けることもお勧めします。
ゆったりとした空間と時間で行うので、鍼灸を受けている間に、すやすやと眠りについてしまう方もおられます。
和室の落ち着いた空間で施術いたします。
宇治市伊勢田町・のぞみ鍼灸整骨院と大久保町・のぞみ整骨院では、このような優しい鍼灸治療を、東洋医学の専門知識をもった鍼灸師が担当し、施術を行います。
薬だけに頼らず、慢性疲労症候群を克服したい。
そのような「のぞみ」を叶える特別な鍼灸を体感してみませんか?
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